王国ファンタジア【流浪の民】外伝~震える大地
「あ、もちろん他にもヒーラーはいますよ。このマークの看板下げてる家がそうです」

 サナはそう言って、自分の真上にある木彫りの板を指さした。

「僕は魔法専門のヒーラーだから」

 苦笑いで応えるサナ。

「ベリルとはどういった知り合いなんですか?」

「! 旅先で知り合ったのだよ」
「へえ」

 サナは少々、怪訝な顔をした。彼の物腰と口調から、旅人とは思えないからだ。

「!」

 そう考えると、この人はベリルに少し似てるかもしれない。

 サナはジェイドをまじまじと見つめた。上品で……

「ベリル殿は長老のご子息だとか」
「! あ、うん」
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