王国ファンタジア【流浪の民】外伝~震える大地
その目に宿るは狂気。ベリルは眉をひそめた。
「やっと完全に出来ると思った矢先に、助手たちが君を見失ってしまった。あの年になるまで待ったというのに! なんたる失態」
レジカはふるふると握った拳をふるわせた。
「わたしはあきれ果てて王宮錬金術師を辞め研究の旅に出た。そして戻ってきたらどうだろう! ドラゴン討伐の英雄に君の名前があるではないか」
両手を広げてベリルに満面の笑顔を見せる。
「ただの同名かと思ったが違った。君の事を聞けば聞くほど、わたしのベリルだと確信した」
最後の作業が出来る!
「それがどれほど嬉しかったか」
「知ったことか」
ベリルの言葉など聞こえないかのように、白髪交じりの長い栗色の髪を後ろで束ね楽しそうに近寄った。
「さっそく始めよう!」
「私に触れるな」
あからさまな拒絶にも、レジカは寛大に接した。
「完全になれば君はわたしに感謝するようになるよ。何せ不老不死になれるのだからね」
「やっと完全に出来ると思った矢先に、助手たちが君を見失ってしまった。あの年になるまで待ったというのに! なんたる失態」
レジカはふるふると握った拳をふるわせた。
「わたしはあきれ果てて王宮錬金術師を辞め研究の旅に出た。そして戻ってきたらどうだろう! ドラゴン討伐の英雄に君の名前があるではないか」
両手を広げてベリルに満面の笑顔を見せる。
「ただの同名かと思ったが違った。君の事を聞けば聞くほど、わたしのベリルだと確信した」
最後の作業が出来る!
「それがどれほど嬉しかったか」
「知ったことか」
ベリルの言葉など聞こえないかのように、白髪交じりの長い栗色の髪を後ろで束ね楽しそうに近寄った。
「さっそく始めよう!」
「私に触れるな」
あからさまな拒絶にも、レジカは寛大に接した。
「完全になれば君はわたしに感謝するようになるよ。何せ不老不死になれるのだからね」