【短編】happy!
あんな風に笑うあっちゃんの顔を、久しぶりに見たから。
私と話していても、あんな笑顔を見せてなんかくれないから。
冷たくて、嫌そうな顔をされてしまうから……。
目の奥と鼻の奥が、キュッとする。
あっちゃんとあんなふうに笑い合える…女の子たちが羨ましい。
羨ましくて、私……。
「………っ、」
なんか……嫌だよ、…あんな顔しちゃ……、
膝の上の掌を、ギュッと握った。
さっきまであんなに見てたくせに、今はもう一瞬でもこれ以上見ていたくなんかなくて。
パッ……と、すぐに視線をそらした。
だけど授業を真面目に受ける気にもなれなくて。
この訳の分からない気持ちをどうすることも出来ないまま、ただ俯いていることしか出来なかった。