【短編】happy!
「……………。」
…すると、あっちゃんは無言でゆっくりと私の横から腕を引いてくれた。
パッと顔を上げた私をこれ以上見ようとはせず、足早に向こうへ歩いていってしまった。
…そのあとも、私はしばらくそこから動けずにいた。
結局今日も…お弁当受けとってくれなかったなぁ…。
「……あっちゃん……。」
寂しく一人ごちて、胸の前でもう一度お弁当を抱え直す。
ザワザワヒソヒソ。
いつのまにか集まっていた周りのみんなが、興味津々というようにたくさんの好奇の目を向けてくる。
…だけど、今はそんなこと全然気にならなかった。
彼が去っていった廊下の奥を見つめて、しょんぼりとうなだれる。
どうすることも出来ずに、私はトボトボと来た道を引き返したのだった。