【短編】happy!

それからというもの。


学校内で見かけて必死にブンブン手を振っても、

用事があってあっちゃんのクラスへ行っても、

帰り一緒に帰ろうと下駄箱で待っていても。



──無視。

──シカト。

──チラッと見て無視…。



挙げ句の果てには、



『私…あっちゃんを怒らせるようなことしたかな…?』


三日三晩寝ずに考えても分からなかった彼が怒っている理由。

だからその日、私は思いきってあっちゃんを無理矢理引き止めたんだ。


……のだけれど。




『……その名前で、2度と話しかけんな』



小さく握った袖を振り払われ……

ふりに振り絞った勇気は、はかなくも無残に砕け散り。


逆に彼をもっと怒らせてしまうという、大失態をおかしたのです。


…案の定、お弁当を届けにいった今日のお昼も…

当然あんなことに……。


< 8 / 29 >

この作品をシェア

pagetop