六人に届いた手紙
「うわっ! ビックリしたぁ。どうしたの優子?」


「ビックリしたぁ。恵子こそ、また温泉に浸かってたの? 私は幸子とビール飲みすぎて足りないから、貰いに行こうかなと思ったんだけど、誰かがこっちに走って行くの見えたからさぁ」


 恵子は長い髪を濡らし、真っ赤に火照った顔をしていた。

 そしてビールを調達するのも忘れた優子は、恵子と話しをしながら一緒に二階へ上がり、廊下には、女将さんが向こうの階段の方に歩いて行く姿が見える。

 優子と恵子は、後でみんなで集まって話したいよねと言い、じゃ後でねと、お互いの部屋に戻った。

 ビールを調達しに行った事を忘れて戻ってきた優子を、幸子は大笑いした。
 その時……。


 キャーーーーーーーーーーーーーーー!!


 叫び声が聞こえ、優子と幸子は慌てて廊下に飛び出した。
 同じ様に、恵子と亜紀も廊下に飛び出している。

 今の叫び声は朋子だ! と思った優子達は、ノックもしないで沙也加と朋子の部屋に転がり込んだ。

 そこには、布団からむくっと起き上がったまま、ビックリした顔の沙也加と、呆然とする朋子が座り込んでいた。そして、朋子の側には小さく四角い箱から飛び出た、金髪のカツラとカードが落ちていた。


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