六人に届いた手紙
第五話 疑問点
 色々話し合ったが、結局皆、疑心暗鬼に陥り、結局はそれぞれの部屋に戻った。優子も幸子も口数が減り、考え込んでいる。

 頭の中で優子は疑問点について考えをまとめていた。

 まず始めに、加奈の名前で来た招待状は、加奈の幽霊が書いたのだろうか? 何故、加奈が亡くなって十一年も経ってから、命日に集められたのか? 信太と翔が海で見た女性は、本当に加奈の幽霊なのか? 旅館を予約し、料理の数や部屋割りを指定し、支払いをした人物は? 脱衣所にあった金髪のカツラは、いつ誰が朋子の脱衣カゴに置いたのか?

 そして脱衣所にあったはずのカツラを、誰がいつ拾い、箱に詰めフロントに持って行ったのか? 箱に貼られたメモに二0六という部屋番号だけが不自然にボールペンで後から書いてあったのどうしてなのか? そして箱に入っていたカードに書いてあった文には、誰に向けたのかは宛て名が書いていなかったが、それは何故なのか? 「私は殺された」という言葉はどういう意味なのか?


「そろそろ寝ようか? 何かせっかく久しぶりにみんなで再会出来たのに、色々あって残念だよね」


「本当残念だよ。ねぇ幸子、加奈の幽霊が犯人だとしてさ、加奈はこんな嫌がらせするかなぁ?」


「さっきも話してたけど、加奈はこんな陰険な事しないよね。考えたくないけど、私達の中に犯人がいるって考えるのが自然な気がするんだよね……」


「私達の中にか……。嫌だなぁ。でも加奈の名前を使って、しかも殺されたなんてカードに書いてあったけど、どうしてなんだろう?」


「優子! もしかしてさ、加奈は自殺じゃなくて、殺されたと思い込んでる人間が、私達の中に居るとしたら?」


「えっ誰だろ? あぁ、嫌だな友達疑うなんてさ」


「こんな状況だもん仕方ないよ優子」


 その時、


 キャーーーーーーーーーーーー!!


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