六人に届いた手紙
エピローグ
 幸い朋子の手首の傷は致命傷にはならず、翌日には退院する事になった。

 朋子が退院し、全員揃ってから皆で帰ろうと意見が決まり、その日は旅館にもう一泊した。
 
 そして優子は信太に電話をかけ、あった出来事を全て話した。


「そんな事があったのか。何だか昔の俺達に起きた事を思い出すな。でも今こうして俺達は乗り越えて、前向きで暮らしてこれただろ? 優子と優子の友達だって、今回の事で絆が深まったんじゃないかな。この先は大丈夫! 頑張ったな優子!」


 優子はいつかのように泣きながら、うんうんと頷いた。
 幸子も陽一さんに電話して、優子と同じ様な事を言われたらしく泣いている。
 沙也加も旦那さんに電話をし、亜紀と恵子は会社に連絡をした様だった。

 その夜は、まだ加奈が生きていた頃の中学時代の話しや、グレてバイクを乗り回していた頃の話しをして笑って過ごした。


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