六人に届いた手紙
 次に優子は沙也加の自宅に電話をした。

 沙也加は、見た目もぽっちゃりしていて性格もおっとりしている。誰かが冗談を言っても五秒くらい遅れて笑い出すくらい、のんびり屋さんだ。一昨年、職場恋愛の末結婚し、去年子供が生まれ今は都心から少し離れた所に住んでいる。

 呼び出し音が鳴っているはずなのに、沙也加は相変わらず電話に出るのも遅い。


「あ〜優子。久しぶり〜今ね桃ちゃんと一緒に私まで寝ちゃってたみたい」


 相変わらずのんびり屋さんの沙也加に優子は一気に和んだ。
 桃ちゃんとは昨年生まれた沙也加の娘である。


「沙也加も桃ちゃんも元気そうだね。ねぇ、手紙届いてない?」


「ん? 手紙? ポスト見るの忘れてた。優子手紙書いてくれたの?」


 沙也加らしいと苦笑しつつ、


「ううん。そうじゃないけど、もし手紙きてたら教えて? じゃ、またね」


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