俺の隣の俺の女


この手の感触、匂い


全部知ってる



振り向かなくても
声を聞かなくても



誰かすぐ
わかっちゃうんだ



自転車を片手で支えながらあたしの手首を掴む



あたしの大好きな人




「・・しょーちゃん」



「何で先に帰んの?
未夢が待ってて
メールしたじゃん」



「・・もう帰っちゃったのかなって思って、返事返してくれなかったし・:」



「・・ごめん、返事しようと思ったら充電切れた」



「・・良かった。
あたししょーちゃんに
嫌われてなかったんだ」



「・・昨日言ったばっかじゃん?何被害妄想してんの?俺は、本当に思ったことしか言わねぇし」



「・・・うん」



「だから不安になんなよ」



「うん!」



神様・・


あたしは
世界一の幸せ者です



だってあたしの大好きな人がさっきまでの不安を消すこんなに嬉しいことを
言ってくれたから




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