雪灯りに響く音
「丁度、藤原先生の愛弟子だっていう黒江 美麗がやるっていうからどんなだと思ったら、」
爽やか笑顔から一転、また私にだけ上から目線な態度を寄越す佑は、次の瞬間ハッ…とバカにしたような笑みを零し。
「まさかここまで酷いとは思わなかったな。」
と、トドメとばかりにそう罵りやがった。
ム、ムッ…!
ムカつくーーー!!!
「さっきからなんなのアンタ! 初心者のくせしてフルートの何が分かるっていうの…!」
「美麗ちゃん、彼は初心者なんかじゃないよ。」
にゃんですとぅ!?
先生の爆弾発言に白目を向く。
「元々僕の先輩がやってた教室の生徒さんだったんだけど、彼女が産休に入るからってうちで預かる事になったんだ。」
「え、え、?」
「まぁ…その辺の奏者よりはよっぽどデキる子だとは思うよ。…なんせ前の教室ではぶっちぎり首席だったらしいし。」
えー、と。つまり。
私が今現在この教室の首席だから。
コイツは私と同レベルの実力を持ってるって事!?
自慢じゃないけどそれなりに賞だって獲ってる私と!!?
「ありえないわ! こんな性格激悪なヤツがフルート奏者!? しかも私と同レベル!!?」
「違ぇだろ、どう考えても俺の方が上だ。」
「…あぁ?」
「その軽いわキツイわな音と俺の音と比べんなって事。」
なんですって!?
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