雪灯りに響く音



なのに、いきなりあんな事言われるなんて。本当にありえない。
初対面で普通そんな失礼な態度とるなんて、常識的に考えられない。
フルートやってる、って藤原先生も本人も言ってたけど…。

まさか、それに関係しているのかしら?

「でも、それにしたって失礼極まりないわよね。常識ないんじゃないかしら、」
「誰が非常識だてめぇ。」

!!?

ここでは聞くハズのない声にビクリと肩を震わせ、後ろを向く。
やはりというか何と言うか。そこには今一番会いたくない、視界に入れたくないヤツがいた。

「な、なんでアンタここにいるのよ! 相川 佑!」

「別に、たまたまここに入ったらお前がいたからだけど。」

それより行くぞ、と言うやいなや、佑は私の腕を掴んでそのままグイッと引き上げた。
片手で持ち上げられた…!? どこからそんな力が出るのよコイツ!!

「ちょ、離してよ!!」

「うるせぇな、良いからついて来いっつの。」

「はぁ…!? どこまで横暴ッ…って梨華! 見てないで助けてよ!!」

最後の頼みのばかりに梨華の方を見てみれば、当人は顔を赤くして固まってるだけ。ってちょっとぉ!?
確かに佑は一般的に見ればカッコイイかもしれないけど、何も顔赤くして行動不能になる事ないでしょ!?
梨華の役立たずーー!!!


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