溺愛ラバーズ
今日のまりあには驚かされてばかりだ。





いつもは自分の意見なんて言わないんだけどな……。





「樹さん、何か食べませんか?」


「ああ、行こうか。」





腕を組み、テーブルに向かおうとしたらトントンと肩を叩かれた。




「樹。」


「冴子?」


「やっぱり来てたのね。」





後ろには、ドレスを着た冴子が立っていた。





「あれ……その子って、もしかして?」


「ああ、まりあだ。」


「ああ〜、やっぱりぃ〜!初めまして、貴島冴子です。」


「初めまして、天宮まりあです。」

「樹から聞いてたのよ。本当に可愛いわね。」


「いえ……。」





今日のパーティーは上層部の人間と各課の部長しか招待されてないはず…。





俺はまりあの婚約者という事で呼ばれたんだが…冴子は?





「冴子、招待されてないだろ?どうしてここにいるんだ?」


「確かに招待はされてないわ。けど、部長に誘われたのよ。社長も知ってる筈よ。」





冴子を誘った部長は、同社の役員となにやら話し込んでるみたいだ。




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