溺愛ラバーズ

｢樹さんっ……好きっ…好き、なんです…。｣


｢………。｣


｢好き…好き…好き、す……。｣


｢わかったから。｣





こう何度も告白されたらたまらない。





｢心配かけてごめんなさい…迷惑かけてごめんなさい…。｣


｢まりあ…｣


｢今日は先に帰ります…。｣





顔を上げ無理矢理笑った顔に胸が痛む。





まりあの素早い行動に呆気に取られ引き留められなかった。





｢あら、こんなところにいたの?うちの部長が探してたわよ?｣





まりあを追いかけようとしたが、後ろから冴子の声が聞こえ追いかける事が出来なくなってしまった。





｢まりあちゃんは見つかったの?｣

｢ああ。｣


｢ああって…どこにもいないじゃない。｣


｢先に帰ったよ…。｣


｢喧嘩したの?｣


｢違う。｣


｢私のせいね…。悪かったわ。｣


｢しかたないんじゃないか?冴子も一応仕事なんだから。｣


｢まぁそうなんだけど…。｣


｢終わった事をぐだぐだと言っててもしかたないだろ?行くぞ。｣





こんな時でもまりあが一番じゃない自分に呆れてしまう。