溺愛ラバーズ

枕の上にばらつく柔らかい髪が顔を動かすたびにサラサラと揺れる。





戸惑う瞳、漏れる吐息と甘い声。




微かに震える細い手と華奢な体。




そんなまりあを見てもやっぱり止められない。





何度も何度もキスを落とす。





涙を流し、痛がる姿にドクンと鼓動が鳴る。





気持ちの整理も出来ないまま抱いてしまった。





終わった後もやっぱりわからない。





好きだから抱いたわけじゃない。




これは過ち。





一夜限りの行為。





なのに、まりあの顔が頭から離れない……。





なにかを諦め、泣くのを我慢して無理やり微笑む顔。





なんでそんな顔して笑うんだ…。




そんな顔されたら仕事も手につかなくなるだろ。





問いただしたくなるだろ。





目で追ってしまうだろ。





そんな自分はまりあが好きだと勘違いしてしまうだろ。