溺愛ラバーズ
「まりあの居場所を教えて下さい。」





店を出たその足でまりあの実家に向かった。





まりあの両親、姉妹は驚いて固まってしまった。





夜遅くに無礼なのは承知だ。





だが、早くまりあに会いたい。





家にいて欲しい、送り迎えをして欲しい。





まりあの手料理が食べたい。





最初に決めた約束は無しにするから…





好きだと、まりあが大切だと………言うから、俺の元に帰って来てくれないか?





「ちょっとアンタァ――!!!何よ今更!どういうつもりよ!!!」





わかってた、妹の罵声ぐらい。





「今更、お姉様を好きと言い出すつもりでしょ!遅いわよっオッサン!」





言い返したいがここは我慢だ。





「お願いします、まりあに会いたいんです…愛してるんです。」





そう言い、これでもかってぐらい頭を下げた。





「高杉くん、頭を上げなさい。」


「お願いします!」


「高杉くん…私も居場所はわからないんだよ……。」





そう言われ、ガバッと顔を上げると社長を始めとする家族全員が辛そうな表情をしていた。




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