溺愛ラバーズ
「まりあ、冴子の言った事は全て嘘だ。確かに昔付き合っていたけど、それだけだ。」


「本当に……?」


「ああ、俺が好きなのはまりあだけだ。」


「樹さん……。」


「まりあ、もう離したくない。ずっとそばにいて欲しいんだ。俺と、結婚してくれないか?」





こんなくさいセリフにまりあは嗚咽を上げて泣き出してしまった。




まりあを抱き上げ、ソファーに座らせる。





妊娠してるにも関わらず軽い。





そういえば妊娠って……あの時だよな?





記憶が薄れて避妊したのかさえ覚えてない。





まだ若いまりあには申し訳ないが、子供が出来て喜びを感じる。





「樹さん…。」


「なんだ?」


「私でいいんですか?」





なに言ってるんだ―――…





「俺はまりあじゃなきゃダメだ。まりあは?」


「私も、樹さんじゃなきゃダメです。」


「俺と結婚してくれるか?」


「はい……。」





何度も頷きながらそう返事をしてくれた。





「もう、俺から離れるな。俺を一番好きでいろ。嫌いになるなんて許さないからな。」


「樹さんも…私だけ好きでいて?」



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