溺愛ラバーズ
そう言うまりあの顔は涙で濡れているけど、堪らなく可愛い。





「あたりまえだろ。まりあだけだ。」





そう言い、キスをすると顔を真っ赤に紅潮させる。





「一緒に帰ろう。まりあのいない家は寂しいんだ。」


「はい……。」





まりあの体の事を考え、ベッドに運ぶ。





「今までどうしてたんだ?」


「アルバイトしてたんです。」


「アルバイト!?」





自分の体の事わかってんのか?





妊婦がアルバイトって……。





「どこに住んでるんだ?」


「アルバイト先に下宿させてもらってるんです。」


「なんのアルバイト?」


「喫茶店です。」


「明日挨拶に行くぞ。それで明日からは一緒に過そう?」


「はい。」





ベッドの端に座ってる俺の腕に抱き付くまりあ。





1人で知らない場所に来て生活するなんて辛いよな、寂しいよな。




俺もベッドに寝そべり後ろから抱き締めた。





「明日社長に電話しような。」


「はい。」





お腹に手を回すと、まりあも手を重ねてくる。





細くて小さい手は震えていた。




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