溺愛ラバーズ
この女性は公江さんというらしい。





「2人ともこっちに座って、座って。」





カウンターに促され、座る事になった。





「旦那さんはブラック。まりあちゃんはジュースでいいかい?」


「はい、すいません。」


「いいのよ、ちょっと待って。」





そう言うと、公江さんは奥に行ってしまった。





それからすぐに、公江さんと旦那さんらしき人があわられた。





「マスター、心配かけてごめんなさい。」





まりあが慌て謝ると頷くマスター。





「初めまして、夫の高杉です。妻がお世話になりました。」





席を立ち、頭を下げる。





マスターからの返事はない。





聞いてるのか聞いてないのか、豆を挽いている。





「愛想悪くてごめんね〜。こういう人でさ。」


「いいえ。」


「私達に話しがあるんだろ?」


「はい。」





まりあと顔を見合せ頷き合う。





「公江さん、今まで本当にありがとうございました。私……。」


「わかってるよ。旦那さんと帰るんだろ?」


「はい。」





よかったよかったと、笑顔を見せる公江さん。




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