溺愛ラバーズ
それから俺の実家に着くまでエコー写真を見たり、名前を考えたりと楽しい時間が過ごせた。





「樹さん、ココ?」


「ああ、小さくてビックリした?」

「ううん、してないよ。それよりも緊張してるの。」





家の前でタクシーから下り、門の前に立つ。





「どうしよ…緊張し過ぎてドキドキが止まらないの。」


「大丈夫だから。」





涙目ですがるまりあの頭を撫でる。





「樹さん、ごめんなさい…。」


「どうした?」


「手土産買うの忘れちゃった。」


「気にしなくていい。」


「でもっ…!」


「結婚と子供の報告で充分だ。ほら、寒いから入るぞ。」





手を引き、ゆっくりと玄関に向かう。





寒いからか緊張からか、まりあの手は微かに震えていた。





「ただいま。」





玄関を開けると暖風と共に複数の足音が聞こえてくる。





「樹!?」


「ただいま。」


「どうしたの!?あら、その子は?彼女?まぁ〜可愛い子ね。」


「若い子だなぁー。」


「親父、お袋いい加減上がらせて。」





お袋はまりあを見るなり、玄関先だという事を忘れ質問を吹っ掛ける。




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