溺愛ラバーズ

妹は歯を食い縛りながら眉を寄せる。





｢ひな、お母さんに八つ当たりは止めなさい。｣


｢お姉ちゃん!｣


｢ひなのちゃんはなんで怒ってるの?｣


｢だって、気に入らないのよ!｣


｢だからってお母さんに八つ当たりするのは間違ってるわ。なにが気に入らないわけ?｣





姉達の言葉に不貞腐れた表情を浮かべ視線を逸らす妹。





｢だって、お姉様大好きなんだもの…なのに、歳上の恋人が出来て結婚する事になるし、妊娠までしちゃうし…。｣





大好きなまりあを俺に取られて嫉妬って事か…。





｢それに、この人お見合いの時にお姉様を愛さないって言ったのよ?幸せになんかなれないじゃない。｣





そうだな、確かに愛さないと言った。





けど、今は――――――…





｢大切なお姉さんにそんな事言って悪いと思ってる。あの時は、仕事の事しか考えてなかったんだ。けど、同棲し始めて考えも変わっていった。まりあが家にいる事で明るくなったし、俺の為に家事や掃除を頑張ってる姿を好きになっていったんだ。｣





毎日、いってらっしゃい･お帰りなさいって言われると心が軽くなる。