溺愛ラバーズ
「けど俺は、自分の気持ちを認めたくなかった。まりあが俺の為にしてくれる事は当たり前だと思ってた。まりあがいなくなって漸く自分の気持ちを認めたんだ。認めた瞬間にまりあが恋しくて愛しくてたまらなかった。」





あの時はすごく後悔した。





なぜすぐに認めなかったのか好きだと言わなかったのか。





まりあがいなくなって、存在の大きさに気付いた。





「今はまりあを愛してるんだ。俺を認めてくれないかな?」


「ひなのちゃん、私も樹さんが大好きなの。だから、そんなに悪く言わないで?」





俯きながら俺の話しを聞いていた妹はバッと顔を上げた。





「ムカつくけど、気に入らないけど、お姉様を大切にするんだったら認めてあげる…。」


「勿論、大切にするよ。」





そう言うと、スッと立ち上がりリビングを出て行ってしまった。





「樹さん、ひなのちゃんと話してくるね。」


「まりあ……。」


「大丈夫。ここで待ってて。」





ニッコリと笑い、まりあもリビングを出て行ってしまった。




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