溺愛ラバーズ
誠くんの写真を添付してメールをすればこんな返事が返ってきた。




メールを見ただけで顔が熱くなって、携帯をギュッと握って抱き締める。





誠くんが産まれてから、なんだか樹さんは嬉しくて恥ずかしい事ばかり言う。





構ってって……変な期待してしまいそう。





「もっもし、もし。」


『まりあ?どうした?』


「ううん、何でもないのっ。」


『何でもないか……分かりやすいのは変わらないな。』


「樹さん?」


『まりあの想像してる通りだ。出張が終わったら嫌ってほど構ってもらうからな。泣いたって離さない。』


「――――っ。」


『まりあ、愛してる。』





樹さんは、卑怯なの――――…声だけで私の体を熱くさせ、痺れさせる。





隣で寝息を立てる誠くんに高鳴る胸の音が伝わってしまわないか、顔を覗き込む。




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