溺愛ラバーズ
俺をこの男呼ばわりしたのはまりあさんの妹だった。




まりあさんがなだめ様とするが、俺への不満を次々に言い放ってくる。





将来、妻になる人がこの子じゃなくてよかったと心底思った。





「お姉様!この恩知らずと結婚なんてする事ないわよ!」





恩知らず・・・?





なんだそれ、仕事の事を言ってるのか?





「ひなのちゃん!」


「でも」


「いいの。私は大丈夫よ。」


「お姉様・・・。」


「それより言い過ぎよ?ひなのちゃんの方が失礼じゃない。高杉さんに謝ってね。」





まりあさんに止められた妹は俺に謝れと言われ、さっきよりさらに不機嫌になってしまった。





「ちっ・・・言い過ぎました。ごめんなさい。」





舌打ちまで付けて渋々と乱暴に謝ってくれた。





「ひなのちゃん、いい子。」





どこをどう見たらいい子に見えるんだ?





「高杉さん、まだお仕事残ってるんじゃないですか?ごめんなさい、引き止めてしまって。」





眉を下げ、申し訳なさそうな声を出すまりあさん。





妹にはまりあさんを見習って欲しいものだな。



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