溺愛ラバーズ
ありさちゃんの笑い声にハッとしたひなのちゃんはあからさまに深いため息をついた。





「ひなのちゃん、ため息つくと幸せが逃げるのよ?」

「お姉様!ため息だろうが幸せだろうがどうでもいいのよ!」


「どうして?」


「まぁいいから。とにかく!お姉様は勘違いしてる。」





ありさちゃんも言ってたけど……私、勘違いしてるの?





「今日、お姉様が会う高杉とやらは私とは全く関係ないから!昨日初めて名前聞いた人なの。それに私、男は大っ嫌いなの!」





高杉さんとひなのちゃんは付き合ってなかったのね。




だから勘違いだったんだ。




でも、じゃあ――――…





「ひなのちゃん、どうして高杉さんの事悪く言うの?」





笑いが治まらないありさちゃん。





私とひなのちゃんを交互に見るかれんちゃん。





「そんなの決まってるわ!お姉様をそんな奴に渡したくないからよ!私のお姉様なんだか…ずっと一緒だったのに、いきなり出てきた顔も知らない会った事もない男に取られたくなかったの…。」





ふて腐れた様に口を尖らせ、目を逸らせるひなのちゃん。



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