溺愛ラバーズ
真っ黒なスーツを身に纏い、長身で女の私から見ても顔は小さい。





目が鋭く、鼻は高い。





羨ましいほど細くて、足も長い。





漆黒の髪の毛はオールバックにまとめている。





―――――――私…高杉さんに一目惚れしちゃいました。





「初めまして、高杉樹です。待たせてしまって申し訳ありません。」


「初めまして、天宮まりあです。あまり待ってませんので、気にしないで下さい。」





声も素敵――…。





全然オッサンじゃないわ。




思った通り、凄く素敵な人。





さっきからずっと無表情の高杉さん。





緊張してるのかな?





「一週間後同棲する事になるが、俺はまりあさんを愛しません。それでもいいですか?」





婚約に同意したところでそう言われた。





愛さないなんて……悲しかった。





「わかりました。愛さなくていいですよ。」





頭にきたからそう言ったんじゃない。





愛さなくていいの――…でも、私は高杉さんを愛します。





だって…あなたを好きになっちゃったの。




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