溺愛ラバーズ
私は一生高杉さんだけ。





愛してくれなくていいの。




好きになってくれなくていいの。





高杉さんの近くにいたいの。





傍にいたいの。





「おかえりなさい。」





私と高杉さんはお見合いから一週間たって同棲する事になった。





仕事で疲れて帰ってくる高杉さん。





私は自分でも、話すのは下手な方だってわかってるの。





思いついた事をポンポン言ってしまって、話しがズレてしまう事なんかしょっちゅう。





同棲初日に樹さんを怒らせてしまった。





名前で呼んでいいって言われて舞い上がったの。





だから、ベラベラと話してしまって更に疲れてさせてしまったの。





こんなんじゃ嫌われちゃう。





今以上に嫌われちゃうのはイヤ。





結婚したくないなんて言われたくない。





婚約破棄なんてされたくない。





泣いちゃダメ…くじけちゃダメ。





樹さんに認められたい。





怒らせたくない―――…だから、私が出来る精一杯の事をするの。





私、頑張るから――――…いつかは私を見て下さい。


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