溺愛ラバーズ

何年も変わる事のない朝の風景。





「おはようございます。」

「おはよう。」





会社に着くなり、俺より先に来てる部下からの挨拶。





デスクに向かい、パソコンを立ち上げる。





「課長、どうぞ。」


「ありがとう。」





ちょっと香水の匂う、女子社員が毎朝コーヒーを持ってくる。





「課長、社長からの伝言で社長室に来るようにの事です。」


「わかった。」





コーヒーを一口飲み、席を立った。





昨日の報告だな・・・。





昨日は俺とまりあさんだけで社長は同席していなかった。





けど、妹がいたんだよな。




「製造課の高杉です。」


「どうぞ、社長がお待ちです。」





大きな扉をノックすると、社長の秘書が出てきて中へと案内される。





「やぁ、高杉くん。」


「おはようございます。」




書類が積み上げられたデスクで構えているのはまりあさんの父親で社長。





「昨日は２人にしてすまなかったね。」


「いいえ。」





２人じゃなくて、３人だったんだが・・・。