溺愛ラバーズ
苛立ったまま、パソコンを立ち上げ持ち帰った仕事をするが集中できない。





時計の秒針の音にまで苛々してきた。





「チッ……。」





なにもかもが苛々して、仕事にならないから今日は寝る事にした。





まりあが来てから苛々してばかりだ。





婚約の話しを断ればよかったと今更後悔する。





すぐにでも解消してもらいたいが、それを社長に言ったら激怒するだろう。





自慢の娘のどこが気に入らないのか聞いてきそうだし何よりクビになんかなりたくない。





その為には耐えるしかないんだろうな。





携帯のアラームをいつもより早めにセットしてベッドに潜り込んだ。





明日はいつもより早く起きて、まりあを見る事なく会社に行きたい。





朝から見るなんてごめんだ。





そう思ったのに、その願いは打ち砕かれた。





キッチンに立ち、忙しく動き回るまりあ。





「あっ、おはようございます。」


「おはよう。」





いつも思うが、俺に怒られ気まずい雰囲気だったのになぜ次の日に、普通に接する事ができるんだ?



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