溺愛ラバーズ
「図星!?」


「彼女不敏〜。」





各自デスクに向かいながらも憎まれ口を叩く。





「あっ!課長!」


「今度はなんだ……。」


「今日、飲みに行きません?」


「断る。」


「えぇー冷たっ!」


「おい……そんなに残業したいのか?」





ギロリと睨み、ドスの効いた低い声で言うとビクッと部下の体が強張る。





「さーて、仕事仕事。」





飲みに行くのはいいが、誰が介抱してると思ってんだ。





ベロンベロンに酔っ払い、泣き出すは愚痴るは甘えるは怒るは、大変な思いをしてんのは俺だ。





こいつらと飲みに行きたくないって思ったが……。





「おい、今日は飲み行くぞ。」





まりあの顔を見たくない。




早く帰るぐらいならこいつらに付き合い、介抱する方がまだマシだ。





「課長、残業なしにして下さいよ。」


「お前らの頑張りしだいだな。」


「うっわー!ひでぇ!」





反論するのもめんどうになり言わせとく事にした。




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