溺愛ラバーズ
一言断って、ロビーまで急いだ。





受付の前で、明らかに不機嫌だという顔で立ってる人物。





まりあじゃない。





婚約者ですらない。





「なんの用だ?」





その人の前に行くとギロリと睨んで来た。





「ごきげんよう、高杉さん。ここでは話せないので別の部屋でお話しましょう?」





仕事があるんだが、断れる雰囲気じゃない。





腕をガッチリと掴まれ逃げる事も出来ない。





「わかった。」





腕を離してもらい、受付から離れる。





埃臭いが、商談室を使うわけにはいかないから資料室に向かった。





「なんの用だ?妹さん。」

「わかってるのに聞いてんの?」





何が言いたいか予想はつく。





まりあの事だろ。





風邪をひいて実家に帰ったんだから、なんで風邪をひいたのか俺に文句を言いに来たってところだな。





「あんた、金曜日の夜何してた?」


「君に関係あるのか?」


「いいから答えて。」


「はぁー…部下達と飲みに行ってたが?」


「帰宅した時間は?」


「深夜1時前だ。」





いったいなんなんだ。

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