溺愛ラバーズ
「樹さん、先に帰ってたみたい。すれ違ったのかな?私ってやっぱりドジだねって無理して笑うお姉様の気持ちわかる?」


「………。」


「あんたが愛さないって言ったからお姉様もあんたを愛さないって言ったけど、お姉様はあんたの事凄く好きなのよ!?料理だって、ママに電話して聞いたりして頑張ってんのよ!?お姉様の気持ちを踏みにじって!」




まりあが……俺の事を好き?





それはないんじゃないか…毎日冷たくしてるんだから、今は嫌で嫌でしょうがないんじゃないか?





「お礼も言えないくせに、偉そうにして。あんたみたいな奴クズよ!」





言いたい放題言って、義妹は帰って言った。





まだ、叩かれた右頬が痛い。





手形がついてるのかもしれないな……。





それにしても……本当に言いたい事言ってくれたな。




俺も悪いかもしれない……けど、まりあも悪くないか?





迎えに来いなんて一言も言ってないのに、来る方が悪い。





0時過ぎても待ってるなんておかしいんじゃないか?




そんなに残業するわけないだろ?





第一……心配なんかするなよ。




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