幸せな結末
「ごちそうさま」

そう言ってうどんを完食した俺に美羽ちゃんは嬉しそうに微笑むと、空っぽのどんぶりを持ってキッチンに行った。

しばらくすると、水の流れる音がする。

なれていると言うように美羽ちゃんは洗い物をしていた。

「あのさ」

そんな彼女に、俺は声をかけた。

「何?」

水を止めると、美羽ちゃんは俺を見た。

「きてくれてありがとう」

お礼を言った俺に美羽ちゃんはクスッと笑うと、
「困った時はお互い様よ」

そう言ってまた作業に戻った。

その姿は、まるで妻のようだった。

「妻か…」

彼女に聞こえないように、俺は呟いた。

美羽ちゃんには、何かと厄介になってばかりだ。

携帯電話を拾ってもらったり、いろいろと厄介になっている。
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