幸せな結末
出てきた美香ちゃんはTシャツにスウェットのズボン姿だった。

「お風呂サンキュー」

そう言った美香ちゃんに、一也さんは特に返事をしなかった。

むしろ、呆れて黙っていた。

予告もなしに突然きたから、怒っているのだろうか?

そう思いながら、私は一也さんと美香ちゃんを見つめた。

美香ちゃんは鼻歌を歌いながらキッチンに行くと、冷蔵庫からスポーツドリンクを取り出した。

「コップにつげよ」

天井を見たまま、一也さんが毒づくように言った。

「別にどうってことないでしょ?」

そう言うと、美香ちゃんはペットボトルに口をつけた。

「おい!」

一也さんが美香ちゃんを見たと思ったら怒鳴った。

「もう、そんなにキレなくてもいいじゃん」

美香ちゃんは呆れたように言うと、ふたを閉めた。
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