幸せな結末
「何?」

そう聞いた私に、
「俺の聞き間違いだったら悪いけど、何か聞こえてこない?」

一也さんが言った。

「えっ?」

言われて耳をよく澄ませてみると、
「――んっ…恭吾…」

これって、完全にヤっちゃってますよね?

「俺たちって…一応、来客なんだよね?」

一也さんが言った。

確かに、私たちは来客と言えば来客である。

何とも言えない気まずい雰囲気が、私たちの間を流れる。

「とりあえず、寝ようか?

もう遅いし」

「そうね」

私たちはそっと目を閉じた。

すぐにやってきた睡魔に誘われるように、私たちはゆっくりと眠りについた。
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