幸せな結末
翌朝、規則正しく刻む包丁の音で私は目を覚ました。

あー、朝ご飯作らなきゃ…。

そう思いながら躰を起こして和室を出てリビングに顔を出すと、
「おはようございます」

朝食の用意をしていた理彩さんがいた。

あ、そうか。

昨日東雲さんの家に泊まったんだと、寝起きの頭でそんなことを思った。

「おはようございます」

私はあいさつを返した。

「あの…何か手伝いましょうか?」

私が声をかけると、
「もうすぐ支度が整いますので、大丈夫です」
と、理彩さんが言った。

「おはよう」

後ろから声をかけられ、私は驚きそうになった。

「おはようございます、東雲さん」

私のあいさつに東雲さんは短く返事をした。
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