幸せな結末
それから東雲さんの家を出た私たちは、駅まで美香ちゃんを見送った。

「話しあいがついたら、ちゃんと報告するね」

そう言って私たちに微笑みかけると、美香ちゃんはは去って行った。

「はーあ」

美香ちゃんの姿が見えなくなると、一也さんは両手を上にあげて伸びをした。

「全く、初日早々からとんでもないことになったな」

ため息混じりに言いながら、一也さんは私を見た。

「でも大変なことにならなくて、よかったじゃない?」

そう言った私に、
「まあ、それもそうか」

ふうっと息を吐きながら、一也さんが言った。

「それよりも…」

「んっ?」

「何で美香ちゃんのことを嫌がっていたの?」

私の質問に一也さんはピクリと片眉を動かすと、横を向いた。
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