幸せな結末
「ごめんなさい、私です…」

美羽ちゃんが小さくなって謝った。

「いいよ、気にしてないから」

「本当にごめんなさい」

美羽ちゃんは携帯電話をとると、
「もしもし?」

その瞬間、サッと美羽ちゃんの表情が変わった。

何があったのだろう?

俺は黙って彼女を見つめた。

美羽ちゃんは怯えたような青ざめた顔で、話を聞いている。

「バカを言わないでよっ!」

声を荒げ、電話口で怒鳴ったかと思うと、美羽ちゃんは携帯電話を切った。

「美羽ちゃん?」

俺はソファーから立ちあがり、美羽ちゃんに駆け寄った。

彼女の顔は具合が悪いのかと思うくらい、ひどく青ざめていた。
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