幸せな結末
美羽ちゃんの前に例の元カレが現れた。

「悪い、遅くなった」

そう言った元カレの演技はかなりヘタクソだ。

反省していないのが、素人の俺でもよくわかる。

「いいよ、和志の遅刻はいつものことだから」

淡々と、できるだけ感情を込めて美羽ちゃんが言った。

こっちも悪だくみをしているから、バレたら即終了だ。

「理彩」

主任が理彩さんの肩をたたいた。

答えるように、理彩さんは首を縦に振ってうなずいた。

「この前の話なんだけどさ」

美羽ちゃんが話を切り出した時だった。

「あんた、何やってんの?」

第3者の声が聞こえた。
< 162 / 172 >

この作品をシェア

pagetop