幸せな結末
驚いたように和志が振り返ると、
「あたし以外の女と何してるの?」

腕を組んで彼を見ている理彩さんがいた。

「理彩…」

かすれた声で、和志が理彩さんの名前を呼んだ。

「あのヤロー、とっくの昔に別れた女の名前をまだ覚えてやがる…!」

主任が和志をにらみつけながら、毒づくように呟いた。

「東雲主任、押さえて」

課長がなだめるように主任に言った。

いつの時代も嫉妬は醜い…と呟くのは、心の中だけにする。

「和志、どう言うこと?」

険しい口調で美羽ちゃんが和志に聞いた。

突然の事態に、和志はパニックである。

うん、順調だ。

「あたし、和志の彼女なんだけど」

理彩さんが言った。

それを聞いた瞬間、美羽ちゃんは驚いた顔をした。
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