幸せな結末
「ある意味修羅場ね」

やや楽しんでいると言うように、堺ちゃんが言った。

自分の修羅場は勘弁だけど、人の修羅場は俺も好きである。

「私とやり直すって言ったよね!?」

口調を荒くして、美羽ちゃんは和志を責めた。

「ち、違う!

こいつは、妹なんだ!」

慌てたように言って、和志は理彩さんを指差した。

「はあっ!?

あたしがいつあんたの妹になったのよ!?」

キレイに整った眉をつりあげ、理彩さんは和志に怒鳴った。

「言い訳が古典的過ぎる」

ふうっと、呆れたように息を吐きながら課長が言った。

確かに、俺も“妹”はないと思う。

「最ッ低!」

美羽ちゃんと理彩さんが声をそろえて和志に向かって怒鳴った。

怒鳴られた和志は、完全にテンパっている。
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