幸せな結末
「美羽ちゃんは俺のものなんだよ」

和志に向かって、俺は言った。

「彼女に近づいたら、今度はただじゃおかねーからな!」

続いて和志に向かって、俺は怒鳴った。

セリフが古典的と言うのは見逃して欲しいところだ。

「理彩…」

「おっと、悪いね」

理彩さんを和志の視線から守るように、主任が理彩さんの前に立った。

「とっくの昔に別れた女の名前を覚えてたのは大した記憶力だが、渡しはしないよ」

ジッと、主任が和志をにらみつけた。

「理彩は俺の奥さんだから」

その言葉を聞いた和志が、驚いた顔をする。

「次に会ったら、この世にいないって思ってね」

ニヤリと、主任がマフィアの笑みを浮かべた。
< 166 / 172 >

この作品をシェア

pagetop