幸せな結末
つい、自分の世界に入ってしまったことを反省する。

「あ、そうですか…。

ありがとうございます」

俺は頭を下げると、山梨さんの前を立ち去った。

エレベーターの前につくと、ボタンを押してエレベーターがくるのを待った。

午後か…。

そりゃ、そうか。

彼女はまだ大学生だもんな。

「若宮さん、おはようございます」

声をかけられ、振り返ると堺彩花（ｻｶｲｻﾔｶ）ちゃんがいた。

彼女はウェーブがかかったセミロングの黒髪とあどけないほどのかわいい顔立ちが印象的だ。

そのうえ、あの課長の彼女でもある。

かわいさと天然な性格で、堺ちゃんは常に異性から好感を持たれていた。

彼女を狙っていた男性社員は数え切れないくらいだ。

実は俺も、堺ちゃんを狙っていた男性社員の１人だった。
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