幸せな結末
「はい、紅茶」

「ありがとうございます」

美羽ちゃんに紅茶を渡した後、俺はコーヒーを開けた。

「えっと…呼び出しちゃって、ごめんね?

忙しかったでしょ?」

そう言った俺に、
「いえ、大丈夫です。

ここのフロアの電灯を代えるついでに、寄って行こうかと思いましたし…。

若宮さんこそ、忙しかったんじゃないですか?」

美羽ちゃんが言った。

「いや…俺の場合は適当に切りあげて、休憩に入ったから」

俺は言った。

沈黙が俺たちの間を流れた。

俺よ、何かをしゃべろう。

「あの…」

美羽ちゃんが声をかけた。

「若宮さんって、いつもこの時間に休憩されるのですか?」

「そう、だけど?」

返し方が疑問形になってしまった。
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