幸せな結末
俺が本当に美羽ちゃんを思っているのなら、それくらいの覚悟をする。

例え振られたとしても、例え笑われたとしても、覚悟をする。

「さて」

主任は空になったコーヒーをゴミ箱に入れた。

カランと、乾いた音がした。

「そろそろ、南野課長が呼びにくる頃だ。

戻るぞ」

「主任!」

歩き出そうとする主任の背中を、俺は引き止めた。

「んっ、まだ何かあるの?」

「…ありがとうございます」

そう言った俺に主任はフッと笑うと、
「部下の話を聞くことも、上司としての礼儀だ」
と、言った。
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