幸せな結末
金曜日になった。

今日は決戦の日でもある。

俺は課長の目を盗むと、デスクの下で携帯電話を開いた。

美羽ちゃん宛てに、メールを作成した。

『いつものところで待ってる』

こんなもんでいいかなと思いながら、メールを送信した。

自分からメールを出すのは、今日が初めてだ。

それくらい、俺は覚悟をしていると言うことだ。

すぐに手の中の携帯電話が鳴った。

美羽ちゃんからだ。

「若宮」

主任に呼ばれた。

俺は携帯電話をしまうと、主任のデスクに足を向かわせた。

「何でしょう?」

そう聞いた俺に、主任は眼鏡の奥でニタリと笑った。
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