幸せな結末
「風邪をひいて、休んじゃったんです」

美羽ちゃんが言った。

何だ、病欠か。

そう思いながら、
「大丈夫?」

俺は聞いた。

「はい、おかげさまで」

そう答えた美羽ちゃんに、俺はホッと胸をなでおろした。

「若宮さん、それ」

美羽ちゃんが俺の手元を指差した。

「えっ…ああ、これ?」

「書類、ですか?」

そう聞いてきた美羽ちゃんに、
「何でもないよ、そんなに対したものじゃないから」

俺は首を横に振った。

「そうですか」

美羽ちゃんが返事をした。

さて…俺は心を落ちつかせた。

同時に、ドクンと心臓が脈を打った。

いよいよ、決戦の時がきた。
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