幸せな結末

と言うか、血液の量なんてどうでもよ過ぎる話な。

また自分の思考が、他のところへ行っていることに気づいた。

慌てて思考を元に戻し、美羽ちゃんからの返事を待った。

俺たちを包んでいる沈黙が長い。

「――いいん、ですか？」

長い沈黙の後で、美羽ちゃんは呟くように言った。

「えっ？」

聞き返した俺に、
「私で、いいんですか…？」

震えた声で、美羽ちゃんが言った。

彼女の顔は、今にも泣きそうになっている。

目なんて、今にも涙がこぼれ落ちそうなくらいに潤んでいた。

そんな彼女が愛しくて、俺は手を伸ばした。

「…えっ？」

驚いたような、戸惑ったような…そんな美羽ちゃんの声が俺の耳元で聞こえた。