幸せな結末
カキーン!

金属の音が球場に響いた。

「よし行ったぞ!」

一塁ベースには先ほどの短髪の男が余裕の笑顔でピースサインをしていた。

「バッター、堺」

バット片手にバッターボックスに黒髪ウェーブの女の子が立った。

「バッター、カモだぜ」

彼女にも容赦なく、ヤジが飛んできた。

「あたしはカモじゃないっ!」

バットを構えたのと同時に、女の子が言った。

「すずめよ!」

何で!?

何ですずめですか!?

椅子から転びそうになった私に、
「一応鳥だけど…」

一也さんが笑いを噛み殺しながら言った。

まあ、親しみがあってかわいいなとは思うけど。
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