幸せな結末
そう言っている間に、一也さんがバッターボックスに立った。

「バッター、カモだぜ」

一也さんにも容赦なくヤジが飛んだ。

「俺はカモじゃない!」

一也さんはバットを構えると、
「んっと…ホトトギスだ!」
と、言った。

ホトトギス!?

鳴かぬなら…でおなじみの、あのホトトギスですか!?

「一応、鳥と言えば鳥なんだけどねえ…」

苦笑いをしながら東雲さんが言った。

けど、親しみはあまりないかも知れない。

白鳥とすずめはよく見かけるから、親しみはある方だと思う。

同じ鳥類だけど、ホトトギスの方はあまり親しみはないかも知れない。

いろいろと言いたいことが浮かんでくるが、どれから言えばいいのだろう?

そう思いながら、バッターボックスの一也さんに視線を向けた。
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